『大日本史料』第三編(保安二・三年分)編纂メモ

保安二年(1121)・同三年(1122)と単純に変換しています。雑載は0月、閏月は空いているところに。

二条家記録『古記部類』

27冊250頁 http://clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/IMG/850/8500/02/0327/0250.tif
興福寺一乗院門跡の坊官である二条家の記録。
保井芳太郎編『保井家古文書目録』(大和史学会、1940年)55頁に、
736 古記部類〈春夏秋冬〉 4冊
737 古記部類〈天地人〉  3冊
と載せ、史料編纂所架蔵謄写本『古記部類』[2073-431]は、このうち736に相当する。
http://clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/IMG/200/2073/431/3//0051.tif
保井文庫は大部分が天理大学附属天理図書館に入っているが、現在天理図書館に所蔵されるのは、736の4冊と737の「人」1冊で、春夏秋冬の部は、春-天理第2冊、夏-3、秋-1、冬-4と対応する(『所報』36号、68頁)。
吉川聡「興福寺二条家史料の抜書集」(『奈良文化財研究所紀要』2017)によると、興福寺所蔵の二条家記録に「〈追加〉古記録部類〈天・地〉」2冊が含まれており、もとは天理図現蔵の「人」1冊とともに一具をなしていたとされる(保井目録に3冊と載った経緯は不詳)。この報告には、「天・地」および「部類抜書」に収録された引用書目・文書が一覧表にされ、現存史料との対応が示されている。
二条家の記録の全体像については、幡鎌一弘興福寺坊官家の史料目録−「二条家旧記目録」の紹介と解説ノート−」(『興福寺旧蔵史料の所在調査・目録作成および研究』科研費報告書、研究代表者・上島享、2002年)参照(解題部分は『寺社史料と近世社会』〈法蔵館、2014年〉に収録)。